親権

未成年(18歳未満)の子どもがいる場合、親権の問題は非常に重要です。親権を取得するかどうかは、その後の人生設計や子どもの生育に大きな影響を与えます。離婚の協議中に親権をどうするかをしっかりと考え、相手方が親権を主張する可能性も見通しておく必要があります。

仮に親権争いが争点になった場合には、概ね以下のような考え方で親権者の指定を裁判所が行います。

  1. 子の福祉
  2. 子の意思
  3. 監護の継続性
  4. 母親優先の原則

1については親権者となる者の監護意思や能力、環境などからして子の福祉のためにどちらがふさわしいかを考慮します。

2については満15歳以上の場合にはその意思を考慮することが通常です。この場合、子の意思については親権者指定に際してかなり重要視されます。

3については、離婚成立までの間にいずれかの親が子の監護をしている場合にはその間の監護の状態を維持するのがふさわしいとの考慮が働くので継続状況を考慮します。

4については、従前から言われている「幼い子については母親がみた方がよい」という原則です。通常、母親の方が父親よりもきめ細かな配慮、子育てができるとの考え方に基づきます。しかし、最近では夫による監護や育児がかなり積極的であることから、必ずしも小さい子どもは常に母親優先というばかりでもありません。

裁判所では以上のような点を重視し、裁判所調査官の調査も経た上で親権者としてふさわしいのがいずれかを判断するのです。

離婚に際して未成年者のお子さんがいる場合には、こうした観点から親権の主張について十分に検討をしておくことが大切です。

なお、離婚訴訟の際に親権者の争いが生じた場合に裁判所がどのような基準でこれを決めるかについて別のページに詳細を説明していますのでそちらをご参照ください。